2025年8月現在、Androidスマートフォンを使用しているユーザーの間で、「電話アプリの画面が急に変わった」という声がSNSを中心に相次いで投稿されています。
特に、これまで使い慣れていたインターフェースが見慣れないものに切り替わったことに戸惑う方が多く、「いつの間に変わったの?」「なぜレイアウトが変わったの?」といった疑問の声が広がっています。
実際には、Androidのアップデート後に、電話アプリの下部に表示されていた「お気に入り」タブが消えていたり、通話時の画面デザインが変更されていたりと、さまざまなUIの変化が見られるようになりました。
こうした突然の変化に対し、「以前のように使いやすい状態に戻したい」「設定で元に戻す方法はあるの?」といった意見も多く見受けられます。
この記事では、スマホの電話画面に起こった突然の変化について、実際に報告されている声や背景にあるデザイン変更の理由、そしてユーザーの反応までを詳しくご紹介していきます。
SNSや海外フォーラムに見る実際のユーザーの声
電話アプリのUIが変わったことについては、国内外問わず、多くのユーザーが不満や違和感を抱いているようです。SNSでは以下のような投稿が目立ちます。
■ SNS上で見られる主な声
-
「Androidの更新をしたら、いつも使っていた下の『お気に入り』が突然消えていた」
-
「新しいUI、正直ちょっとダサくなった気がする」
-
「電話アプリ、履歴と連絡先が同時に見られなくなって不便すぎる」
このように、アップデート後の見た目や操作感の変化に対し、戸惑いの声が少なくありません。
■ 海外ユーザーからのフィードバック
海外のGoogle公式サポートフォーラムにも、似たような不満の声が投稿されています。ある投稿者は次のように述べています。
「電話アプリを開いたとき、以前は左下に表示されていた星マークの“お気に入り”が見当たらなくなりました。そこをタップするだけでよく使う連絡先にアクセスできたのに、今では探しにくくなってしまったし、長押ししても削除の選択肢しか出ません。前の仕様に戻したいです。Googleには、こうした変更を強制するのではなく、ユーザーがレイアウトを選べるようにしてほしいと願っています」
この投稿は、2025年8月18日に更新されたもので、国外でも同様に「使いにくくなった」と感じるユーザーが増えていることを示しています。
続きでは、なぜこのような変更が行われたのか、Googleの意図や背景にあるデザインの方針について詳しく解説していきます。
さらに、実際にどのように画面が変わったのか、視覚的な変更点にも触れていきます。
UIが変わった理由とは?— Googleが進める「Material 3 Expressive」の導入
最近、Androidスマートフォンの電話アプリに大きなデザイン変更が加えられましたが、その背景にはGoogleが推進している新たなデザインコンセプト「Material 3 Expressive(マテリアルスリー・エクスプレッシブ)」の存在があります。
この「Material 3 Expressive」は、従来のMaterial You(マテリアルユー)と呼ばれるデザイン言語をさらに進化させたもので、より大胆なビジュアル表現、滑らかなアニメーション、そして直感的な操作性を重視したスタイルが特徴です。
Googleが公式に明かしているところによれば、この新デザインは1万8,000人以上のユーザーを対象に、46回以上ものテストやユーザビリティ調査を行ったうえで導入が決定されたとのこと。
その中で評価が高かったのは、「見た目の印象の良さ」や「使いたくなるような操作性」などで、見た目だけではなく、使いやすさにも配慮された進化とされています。
つまり今回の変更は、単なる見た目の変更ではなく、「より感覚的で、ユーザーの感情に訴えかけるようなデザイン」を目指す方向性に基づいた、計画的なアップデートといえるでしょう。
電話アプリでの主な変更点
Googleの電話アプリ「Phone by Google」では、「Material 3 Expressive」の導入に伴い、以下のようなデザイン変更が反映されています。
● 「お気に入り」と「最近の通話」が一つのタブに統合
これまで個別に表示されていた「Favorites(お気に入り)」と「Recents(最近の通話)」が、「Home(ホーム)」という1つのタブにまとめられました。
スター付きの連絡先は、通話履歴の上にカルーセル形式で横スクロールできるようになっており、よりスタイリッシュな印象に。
● キーパッドが中央タブに移動&角丸デザインへ
通話時に使用するテンキー(キーパッド)は、従来の浮き出たボタン型から、画面下部中央に配置されたタブ形式に変更。
キーパッド全体のデザインは丸みを帯びた柔らかい見た目となり、より親しみやすい印象を与えるようになりました。
● 通話履歴の表示がカード型レイアウトに
これまではシンプルなリスト形式だった通話履歴も、今回の変更でひとつひとつが角の丸いカード型に変わりました。
これにより、個々の情報が視覚的に区切られ、内容の把握がしやすくなるなど、利便性が高まっています。
● 着信時の操作に「スワイプ」と「ワンタップ」の選択肢
新しいUIでは、着信時に応答や拒否をする操作方法として、「横方向のスワイプ操作」か「画面を一回タップする」方式が選べるようになりました。
これにより、例えばスマホをポケットから取り出すときに誤って操作してしまう、といった事故を防ぐ工夫がされています。
電話アプリだけじゃない!Google全体で進む統一デザイン
今回の「Material 3 Expressive」は電話アプリだけでなく、他のGoogle製アプリにも広がりを見せています。
● Contacts(連絡先アプリ)
連絡先アプリでは、各連絡先の表示がより見やすくなるように刷新されました。
通話やメッセージ送信などの操作ボタンも、楕円形の“ピル型”ボタンにデザインされ、視認性と操作性が向上しています。
● Google Keep、Messages、Drive、Gmailなど
Google Keepやメッセージアプリ、Googleドライブ、Gmailといったおなじみのアプリでも、検索バーやリスト表示、ボタンなどのデザインにおいて、丸みを帯びた形状やコントラストの効いた配色が採用されるようになりました。
これにより、複数のアプリ間でも統一感のあるビジュアルが実現されており、Googleのアプリ群全体が一つの世界観でまとまっていく方向性が見えてきます。