Windows 10/11で音が途切れる不具合発生 ― メディアプレーヤーとリッピング同時利用の注意点

Microsoftは、Windows 10やWindows 11に標準で組み込まれている「メディアプレーヤー」アプリで、不具合が確認されていることを公式に公表しました。

多くのユーザーが日常的に音楽再生やCDの取り込みに利用しているアプリで発生しているため、広い範囲に影響が及んでいる可能性があります。

問題が起きるのは、オーディオCDをPCに取り込む“リッピング”作業と、そのCDを同時に再生する操作を行ったときです。

本来であれば快適に音楽を聴きながら取り込み処理を進められるはずですが、この状態になると音声が途切れたり、一部のフレーズが繰り返し再生されたりするケースが報告されています。

さらに、ノイズのような異音や、まるで機械的なエラー音のようなサウンドが混ざるなど、通常の音楽再生では想定されないトラブルも発生しています。

こうした現象は、音楽を楽しみながらCDをデータ化したいユーザーにとって大きな支障となっており、Microsoft側も再現性のある問題として認識しています。

不具合の仕組みと回避策 ― バッファ処理の問題と旧版アプリの活用

不具合の原因と仕組み

今回の問題は、Windowsに標準搭載されている「メディア プレーヤー」の内部処理に起因しています。

通常、CDなどを再生する際には、アプリが音声データをあらかじめ一定量読み込んでバッファに保存し、それを順次再生する仕組みをとっています。

この先読み処理によって、多少の読み込み遅延があっても音が途切れず、安定した再生が可能になっているのです。

ところが、オーディオCDを“リッピング”（音楽データをファイル形式として取り込む処理）しながら同時に再生を行うと、このバッファ機構がうまく機能しなくなります。

結果として、音声が不自然に途切れたり、一部のフレーズが繰り返されたり、さらには機械音のような異音が混ざるといった現象が発生します。

この不具合は、Windows 10やWindows 11に標準で搭載されている新しい「メディア プレーヤー」で広く確認されています。

ただし、従来から存在する「Windows Media Player Legacy」では別の処理方式を採用しているため、現状ではこうした不具合は起きていません。

現状でできる回避策

不具合が解消されるまでは、次のような方法で対応することが推奨されています。

• 方法①：リッピング完了まで再生を控える
  　もっとも簡単で確実な対処法です。取り込み作業が終わるまで再生を行わず、完了してから音楽を聴くようにすれば問題を避けられます。

• 方法②：旧バージョンのプレーヤーを利用する
  　どうしても同時に再生したい場合は、「Windows Media Player Legacy」を使用するのがおすすめです。この旧型アプリでは、今回の不具合が報告されていません。

ただし少し注意が必要です。Windows 11では「Windows Media Player Legacy」という名称で表示されますが、Windows 10では同じ名前でも表記や見た目が異なる場合があります。

探す際は以下の手順が便利です。

1. タスクバーの検索ボックスに「Windows Media Player」と入力する

2. 表示された候補から従来版にあたるアプリを選択する

最初はやや紛らわしく感じますが、一度試してみれば区別はつきやすく、慣れてしまえばスムーズに切り替えられるでしょう。

今後の見通し

Microsoftはすでにこの不具合を認識しており、修正に向けた作業を進めています。

近い将来、Windows Updateを通じて改善が提供される見込みです。

それまでは、上記の方法で一時的に対応するのが現実的な選択肢となります。

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