Spotifyがついにロスレス音質に対応しました。
これまでの「最高音質」では圧縮により失われていた細部まで、原音に近いクオリティで楽しめるようになったのです。
この記事では、Spotifyロスレスの仕組みや従来音質との違いから、対応している機種一覧、スマホ・PCでの設定方法をわかりやすく解説します。
さらに、「ロスレスの項目が表示されない」「設定できない」といったトラブル時の原因と解決策も整理しました。
ロスレスを本当に楽しむためのおすすめ環境や、違いを感じやすい音楽ジャンルについても紹介しています。
音楽をもっと高音質で楽しみたい方や、これからSpotifyロスレスを試したい方は、ぜひ参考にしてください。
Spotifyロスレスとは?

まずは、そもそもSpotifyロスレスがどんな機能なのかを整理しておきましょう。
この章では、ロスレス音質の仕組みや従来の音質との違いをわかりやすく解説します。
ロスレス音質の仕組みと特徴
Spotifyロスレスとは、従来の圧縮音源よりも原音に近い形で音楽を楽しめる音質設定のことです。
形式としてはFLAC(可逆圧縮)を採用しており、最大24bit/44.1kHzまでのクオリティで配信されます。
「可逆圧縮」とは、音のデータを一度圧縮しても再生時に元の情報を完全に復元できる方式のことです。
つまり、アーティストがスタジオで仕上げた音を、そのままの形で体験できるわけです。
Spotifyロスレスは、音の細部や臨場感をこれまで以上にリアルに感じられるのが最大の魅力です。
| 音質モード | 形式 | ビットレート/サンプリング |
|---|---|---|
| 標準音質 | AAC | 96kbps |
| 高音質 | AAC | 160kbps |
| 最高音質 | AAC | 320kbps |
| ロスレス | FLAC | 最大24bit/44.1kHz |
従来の音質との違い
従来のSpotify最高音質(320kbps AAC)は十分に高音質でしたが、圧縮によって一部の情報が失われていました。
そのため、細かな楽器のニュアンスやボーカルの息遣いが曖昧になることもありました。
一方、ロスレスではデータが劣化しないため、音の輪郭がはっきりとし、奥行きや立体感が増します。
ただし、データ量が大きくなるため、モバイル通信での利用には注意が必要です。
Wi-Fi環境や有線接続でこそ、本当の良さを実感できるでしょう。
Spotifyロスレスに対応する機種は?

ここでは、Spotifyロスレスをどのデバイスで利用できるのかを確認していきましょう。
スマホやPCはもちろん、オーディオ機器やスピーカーの対応状況についても触れます。
スマホ・PC・タブレットでの対応状況
Spotifyロスレスは、基本的に最新のSpotifyアプリがインストールされているスマートフォン、タブレット、PCで利用可能です。
特別な端末を用意する必要はなく、アップデートさえしていればほとんどのユーザーが利用できます。
ただし、OSが古い場合やアプリが最新でない場合は設定項目が表示されないことがあります。
まずはアプリのアップデートを必ず確認しましょう。
| デバイス | 利用条件 |
|---|---|
| iPhone / iPad | iOS最新バージョン + Spotifyアプリ最新版 |
| Androidスマホ / タブレット | Android最新バージョン + Spotifyアプリ最新版 |
| Windows PC | デスクトップ版Spotifyアプリ最新版 |
| Mac | デスクトップ版Spotifyアプリ最新版 |
スピーカー・オーディオ機器での対応状況
ロスレスはSpotify Connect対応機器でも利用できます。
対応ブランドには、Sony、Bose、Samsung、Sennheiserなどのオーディオメーカーが含まれます。
また、SonosやAmazon Echo、Google Nestといったスマートスピーカーも順次対応予定です。
オーディオ好きの人にとっては、普段のリスニング環境をそのままアップグレードできるのが嬉しいポイントですね。
Spotify Connect対応機器を使えば、スマホ操作で簡単に高音質を楽しめるのも魅力です。
Bluetooth接続では注意が必要
ここで重要な注意点があります。
Bluetooth接続ではロスレス音質をそのまま伝送することはできません。
Bluetoothの帯域幅の制限により、どうしても音声データが再圧縮されてしまうからです。
そのため、「思ったより音が変わらない」と感じる場合、接続方式が原因かもしれません。
本当のロスレスを楽しむなら、有線接続やSpotify Connect経由を選ぶ必要があります。
有線ヘッドホンやUSB DACを使えば、違いをはっきりと感じられるでしょう。
Spotifyロスレスの設定方法

ロスレスを利用するには、アプリ内で音質を切り替える必要があります。
この章では、スマホ・PCごとの設定手順や、ロスレスが有効になっているかを確認する方法を解説します。
スマホアプリでの設定手順
iPhoneやAndroidスマホでSpotifyロスレスを有効化する手順はシンプルです。
まず、アプリを開いて左上のプロフィールアイコンをタップします。
次に「設定とプライバシー」を選び、「メディアの音質と画質」へ進みます。
ここで「低」「標準」「高」「最高音質」に加えて「ロスレス」という項目が表示されるはずです。
Wi-Fi、モバイルデータ、ダウンロードのそれぞれで音質を設定できるので、自分の利用環境に合わせて選びましょう。
スマホでロスレスを楽しむなら、Wi-Fi接続時にロスレスを有効化するのがおすすめです。
| 設定場所 | 推奨設定 |
|---|---|
| Wi-Fi接続時 | ロスレス |
| モバイルデータ通信 | 高音質(通信量節約のため) |
| ダウンロード | ロスレス(お気に入り曲のみ) |
PCアプリでの設定手順
PC版Spotifyでも同様に設定可能です。
アプリの右上にあるプロフィールをクリックし、「設定」へ進みましょう。
「音質設定」の項目に「ロスレス」が追加されているので、ここで選択するだけです。
特にPCはUSB DAC(デジタル-アナログ変換機)や有線ヘッドホンを使うことで違いを実感しやすくなります。
オーディオ環境にこだわるなら、PCでのロスレス利用がベストです。
インジケーターで確認する方法
ロスレスが有効になっているかどうかは、再生画面のインジケーターで確認できます。
曲の再生バーやSpotify Connectの横に「Lossless」と表示されていればOKです。
もし表示が出ない場合は、設定が反映されていない可能性があります。
「Lossless」の文字が表示されることが、設定完了のサインです。
Spotifyロスレスが表示されない・できないときの原因と対処法

設定したのにロスレスが表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
ここでは主な理由と対処法を整理してみましょう。
対応地域やアカウント条件を確認
SpotifyロスレスはPremiumユーザー向けに順次展開されています。
まだアカウントに機能が届いていない場合は、通知が来るまで待つ必要があります。
無料ユーザーは利用できないので、必ずPremiumに加入しているか確認しましょう。
アプリやデバイスのアップデート不足
古いアプリやOSでは「ロスレス」の項目が表示されないことがあります。
アプリストアでSpotifyを最新版に更新し、OSもアップデートしてみましょう。
まずはアプリとOSを最新にすることが最優先のチェックポイントです。
| 原因 | 解決方法 |
|---|---|
| アプリが古い | 最新版にアップデート |
| OSが古い | 最新バージョンに更新 |
| ファームウェアが未更新 | デバイス側のアップデートを実行 |
インターネット環境や接続方式の問題
ロスレスはデータ量が大きいため、不安定なネット環境では再生が途切れることがあります。
安定したWi-Fi回線(1.5〜2Mbps程度以上)が推奨されます。
また、Bluetooth接続ではロスレスをフルに体験できません。
有線接続やSpotify Connectを利用することで、真のロスレス体験が可能になります。
ダウンロード済み音源の音質制限
既にダウンロード済みの楽曲は、ダウンロード時点の音質でしか再生されません。
ロスレスで聴きたい場合は、一度ダウンロードを削除し、再度ロスレス設定でダウンロードし直す必要があります。
よく聴くアルバムやお気に入り曲だけロスレスでダウンロードするのが効率的です。
Spotifyロスレスを最大限楽しむためのコツ

せっかくロスレスを使うなら、そのポテンシャルをしっかり引き出したいですよね。
この章では、リスニング環境の整え方や通信量の管理、どんな曲で違いを感じやすいかを紹介します。
おすすめのリスニング環境
ロスレスを最大限楽しむには、再生環境が重要です。
特にBluetoothイヤホンでは圧縮されてしまうため、有線接続のヘッドホンやスピーカーがおすすめです。
また、USB DACを使うとさらに音質を引き出せます。
本当に音質を味わいたいなら、有線接続+安定したWi-Fi環境が必須です。
| 環境 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| Bluetoothイヤホン | △ | 圧縮されるためロスレス効果が限定的 |
| 有線ヘッドホン | ◎ | ロスレス音質をそのまま体感できる |
| Spotify Connect対応スピーカー | ◎ | スマホから簡単に高音質再生が可能 |
データ通信量とストレージへの注意点
ロスレスは高音質な分、ファイルサイズが大きくなります。
そのため、モバイルデータ通信で使うと通信量を一気に消費してしまうことがあります。
また、ダウンロードする場合はスマホやPCのストレージも圧迫しやすいです。
モバイル通信では「高音質」、Wi-Fiでは「ロスレス」と使い分けるのが賢い方法です。
どんな曲で違いを実感できるか
ロスレスの違いを特に実感しやすいのは、繊細な音が多い楽曲です。
アコースティック楽器やクラシック、ジャズなどでは、音の広がりや空気感が際立ちます。
また、ボーカル中心の楽曲では息遣いや細かなニュアンスが聞こえやすくなります。
普段聴き慣れている曲をロスレスで聴くと、「こんな音があったんだ」と新しい発見ができるかもしれません。
まとめ
Spotifyのロスレスは、音楽体験を一段階引き上げるアップデートです。
最大24bit/44.1kHzのFLAC形式で、従来の圧縮音源では失われていた細部まで楽しめます。
対応デバイスや設定手順はシンプルですが、Bluetooth接続ではフルに体験できない点には注意が必要です。
また、表示されない場合はアプリやOSの更新、接続方式、アカウント条件などを確認しましょう。
ロスレスの真価を味わうなら、有線接続+安定したネット環境がベストです。
ぜひ、自分に合った環境でSpotifyロスレスを体験し、新しい音楽の世界に浸ってみてください。

