SBI証券を名乗る「夜間取引頻繁に伴う確認のお願い」メールは本物?それとも詐欺?

生活

2025年9月9日時点で、SNS上では「SBI証券から『夜間取引頻繁に伴う確認のお願い』という件名のメールが届いた」との投稿が複数見受けられています。

「このメールは本当にSBI証券が送信したものなのか?」
「誤ってリンクを開いて情報を入力してしまった場合、どのように対処すれば良いのか?」

多くの人が抱くであろうこうした疑問について、本記事では実際に出回っているメールの情報をもとに検証し、その真偽を探っていきます。


SNSで拡散されているメールの概要

利用者が共有した内容を整理すると、問題となっているメールには次のような特徴がありました。

  • 差出人のアドレスが「info@tokorozawa-craft[.]co[.]jp」となっている

  • 夜間PTS取引において銘柄コード「9005」の株式が頻繁に購入され、通常とは異なる取引が行われたため通知した、という説明が書かれている

  • 取引履歴を確認するために、メール内のリンクを開くよう案内されている

  • リンク先にアクセスする際にはIDとパスワードを入力するよう指示がある

さらに、文面の中には「取引の意図を核実し」「夜間取引頻繁に伴う」といった、日本語として不自然に感じられる表現も含まれており、「本当にSBI証券が作成したものなのか」と疑念を抱かせる要素となっています。

なぜこのメールは詐欺と考えられるのか

SNSで拡散されているメールの内容を、SBI証券が公式に公表している注意事項と照らし合わせると、いくつもの不一致が見つかります。

これらの点から、このメールが本物ではなく、フィッシング詐欺である可能性が極めて高いと判断できます。


公式とは異なる送信元アドレス

SBI証券は公式サイト内で「SBI証券を装った不審メールに注意してください」と案内しており、実際に利用している正規の送信元アドレスを一覧で公開しています。

しかし、今回報告されたメールでは差出人が「info@tokorozawa-craft[.]co[.]jp」となっており、このアドレスは正規リストには存在しません。

公式に掲載されていないアドレスから送られている時点で、SBI証券とは無関係である可能性が非常に高いと考えられます。


メールにログイン誘導のURLを載せないという方針

さらにSBI証券は、2025年4月25日以降の通知で「当社が送信するメールには、ユーザーネームやパスワードを入力させる画面へのリンクは記載しない」と明確に示しています。

また、メールの形式についても、テキスト形式または安全性を重視したHTML形式に統一され、ログインを直接促すリンクを設けない方針が示されています。


メール文面との矛盾と不自然な表現

ところが問題となっているメールには「リンク先にアクセスする際にIDとパスワードが必要です」との記載があり、SBI証券の公式方針と真っ向から矛盾しています。

加えて、文中には「取引の意図を核実し」「夜間取引頻繁に伴う」といった、不自然で誤字とも取れる日本語が使われていました。

正規の金融機関が顧客向けに送る案内文としては違和感が大きく、この点も偽装メールを疑う根拠となります。


このように、送信元アドレス・文面内容・表現の不自然さのいずれも、公式の案内と食い違っていることから、「夜間取引頻繁に伴う確認のお願い」という件名のメールは詐欺目的の可能性が非常に高いと考えられるのです。

もし同じようなメールを受け取ったらどうすべきか

万が一、「夜間取引頻繁に伴う確認のお願い」といった不審なメールを受け取り、リンクをクリックしてしまったり、誤って情報を入力してしまった可能性がある場合は、以下の対応をできるだけ早く実行することが重要です。


1. ID・パスワードを速やかに変更する

もし入力してしまったと感じたら、真っ先にアカウントのパスワードを変更してください。

SBI証券ではログイン用と取引用で別のパスワードを設定できるため、どちらも念のため見直しておくと安心です。


2. 公式サポートに連絡する

SBI証券のカスタマーサービスに事情を説明しましょう。

受信日時や入力してしまった内容など、できるだけ具体的に伝えることで、適切なサポートや指示を受けられます。


3. 取引履歴・ログイン履歴を確認する

自分のアカウントで、不自然なログインや覚えのない取引が行われていないかをチェックしましょう。

万が一、不正な操作があった場合には、その記録を保存しておくことが後の対応に役立ちます。


4. 必ず公式サイトや公式アプリからアクセスする

メールに記載されているリンクは使わず、普段利用しているブックマークや公式アプリからアクセスしてください。

SBI証券自身も「メールやSMSに記載されたURLからIDやパスワードを入力しないように」と明確に注意喚起しています。


5. セキュリティ機能を強化する

二段階認証やログイン通知を有効にするなど、利用できるセキュリティ設定を活用することで、不正アクセスが行われた場合でも被害を最小限に抑えられます。


SBI証券が示す公式な注意点

SBI証券は公式に「当社が送信するメールに、パスワード等を入力させるページのURLは記載しない」と明言しています。

もしそのようなリンクが含まれているメールを受け取ったら、それはほぼ間違いなく偽メールと判断してよいでしょう。

また、公式サイトではフィッシング対策として次のような注意点が案内されています。

  • 正規のWebサイトではない可能性があるページにIDやパスワードを入力しない

  • メール内のリンクを不用意にクリックしない


まとめ

これまでの調査結果から、「夜間取引頻繁に伴う確認のお願い」という件名のメールは、SBI証券が送った本物の連絡とは考えにくく、フィッシング詐欺の可能性が極めて高いと言えます。

もし同じようなメールを受け取った場合は、

  • 差出人アドレスが正規のものか確認する

  • メール本文にIDやパスワード入力を求めるリンクがないか確認する

  • 文面に不自然な日本語が含まれていないか注視する

  • 必ず公式ページやアプリから直接ログインして状況を確認する

これらを徹底してください。

そして少しでも不安がある場合は、すぐにパスワードを変更し、公式サポートに相談、取引履歴やログイン履歴を確認することを強くおすすめします。

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