スキントーンを自分で作る過程は非常に繊細で難しい作業とされています。
これは、個人によって肌の色が大きく異なるためです。
例えば、赤ちゃん特有の柔らかく透き通るような肌か
あるいは成人特有の色合いかによっても、必要とされる色は変わってきます。
さらに絵の具を混ぜ合わせると目指す色から遠ざかってしまいがちです。
これは、多くの色を混ぜるほど色が濁ってしまうためです。
市販の肌色絵の具(現在ではペールオレンジと呼ばれることが多い)を使用しても
期待した通りにならないことがあります。
そこで、異なるスキントーンの作り方をいくつか紹介します。
これにより、どんな肌の色でも自在に表現できるようになります。
肌色の調合方法
肌色を作成する際には、どのような色の組み合わせで進めるべきか考える必要があります。
具体的には、次の6つの色の組み合わせパターンを試すことができます。
- 赤+黄+白
- 茶+白
- オレンジ+白
- オレンジ+淡い緑
- 赤+黄+青
- 黄土+赤+白
色の混合に際しての重要なポイントやコツも一緒に解説していきますので、是非活用してみてください。
赤+黄+白
まず、黄と赤を混ぜてオレンジ色を作り出し、その後に白を少しずつ加えていくことで
肌色を調合することが可能です。
混色の順序としては、黄→赤→白の順になります。
色を混ぜ合わせる際には、一般的に明るく鮮やかな色から始めて
徐々に暗めの色を加えていくのが基本です。
しかし、白や黒のような無彩色を混ぜる場合はこれらを最後に加える方が良いでしょう。
無彩色は彩度がなく、明度だけが特徴の鮮明な色であり
これらを早い段階で混ぜてしまうと、色の印象が強すぎる結果になりがちです。
混色の比率は赤1:黄1:白1となります。
色の組み合わせだけではなく、混ぜる順序も意識することが大切です。
茶色と白色での調合
肌色を表現する一つの方法は、茶色に白色を加えることです。
白の量を調節することで、より濃い肌色から明るい肌色まで幅広く表現できます。
茶色は黄色や赤色の成分を含んでいるため、赤と黄を基にした肌色作りに近い効果が得られます。
しかし、茶色にはこれら以外の色も含まれていることから
さらに多様な肌色を作り出すことが可能です。混色の推奨比率は茶1:白1となります。
オレンジ色と白色での調合
オレンジ色に白を加えた肌色は、茶色と白を使った方法よりも
より明るく透明感のある肌色を再現できます。
特にカートゥーンスタイルのイラストではオレンジと白の組み合わせが基本色として
少なくとも清潔感があり、スタイリッシュな印象を与えます。
茶色を用いた肌色作りでは
実質的に黄色、赤色、黒(または青)を組み合わせた4色で構成されます。
一方、オレンジと白での方法では、オレンジ(黄色と赤色から成る)に白を加えることで
3色のみで肌色を作り上げます。
色を混ぜる際には、色数が多いほど色が濃くなる傾向にあるため
オレンジと白を用いる方法はよりシンプルでクリアな肌色を作りやすいのです。
この方法の推奨比率もオレンジ1:白1となります。
オレンジと淡緑色の混合
オレンジ色に淡い緑色を混ぜ合わせることで、独特の肌色を作成することができます。
この方法では、淡い緑色の使用が重要なポイントとなり
比率はオレンジ2に対して淡い緑1とします。
この組み合わせは、オレンジと白を用いる方法よりも一層複雑な色合いを実現でき
プロのような仕上がりを演出できます。
市販されている濃い緑色を直接使うと、意図せず暗く濃厚な色合いになるため
注意が必要です。特に肌の陰影を描く際には、この色合いが役立つでしょう。
赤・黄・青の三原色混合
赤、黄、青の三原色を使っても、肌色を作り出すことが可能です。
この方法は高度な技術を要しますが、三原色だけで構成されるため混合には慎重な手順が必要です。
思わぬ色味になってしまうリスクを避けるため黄色から始め、赤、そして青の順で
徐々に混ぜ合わせます。
推奨される比率は赤と黄がそれぞれ2、青が1です。
白を使用しないため健康的な小麦色の肌を表現するのに適しています。
黄土、赤、白の組み合わせ
黄土色と赤色を混ぜ合わせてタンのような色味を作り出し
それに白色を加えることで、自然に溶け込む肌色を作成する方法をご紹介します。
タン色は牛革をタンニンでなめし加工した際に得られる色からインスパイアされており
アースカラーとも呼ばれます。
これは、地球の土や植物を連想させるカラーでありキャンプ用品などにもよく使用されています。
このような自然に溶け込むタンに白を混ぜて得られる肌色は
非常にナチュラルで使い勝手の良い色味です。
混合比率は黄土色2:赤1:白1とします。
肌色調整のテクニック
ここでは、先に紹介した肌色の作成方法に加え
個人の好みに合わせた肌色を調整するテクニックをお伝えします。
一般的には、黄色と赤色を組み合わせてオレンジ色を基にし
その後、青色や白色を少しずつ加えて肌色を微調整していきます。
始めは思い描いていた肌色とは大きく異なるオレンジ色からスタートしますが
徐々に加える色を調節することで望む肌色に変化していく過程を楽しむことができます。
さらに、絵具に水を加えることで透明感のある肌色を表現する方法もあります。
ただし、絵具に水を多く加えすぎると、紙の質によっては絵具が粒状になったり
紙が水を吸いすぎてしまい、形が崩れることがありますのでこの点は慎重に扱う必要があります。
また、水分量が多いと、隣接する色と混ざり合い、意図せずに色が滲んでしまうこともあります。
滲みを意図的に利用する表現方法もありますが
それを目的としない場合は、水分の量に注意することが大切です。
まとめ
基礎となる肌色は、最も基本的な色彩セットである赤、黄、白を使って簡単に作成可能です。
これらの色に茶色や青を加えたり、水で希釈して透明感を与えることで
思いのほか手軽に望む肌色を作り出せます。
もし作成が複雑に感じられる場合はペールオレンジを基本として
他の色を少量加えて調整する方法が、最も迅速に理想の肌色へと導く近道になります。
時間の余裕がある場合は、自分だけの肌色を丹念に調合することも一つの楽しみです。
このガイドを活用して、ぜひ自分に合った肌色作りを試みてみてください。